クリスチャン映画 Information
小川代表の映画評
GOD LAND ゴッドランド
ネタバレ
注意!!
デンマーク映画も、ましてやアイスランドが舞台の映画もまず見る機会がないので、その意味では、車が1台もない100年前の時代のこの国の自然と、そこに生きる人々の姿を丹念に、ほぼドキュメンタリー調に描いた作風は、自然で、作り物でない真実味があり、まるでその生活の中に入っているようで、僕は嫌いではありません。
あのテレンス・マリックを思わせます。また、あの「バベットの晩餐会」をも思い出させますし、ワーナーで、字幕まで入れながら地味すぎて日本では公開されなかったのですが、僕の団体のルーツであるスウェーデンバプテストの人たちのアメリカ移民の姿を描いた「イミグラント 移民」をも思わせました。
このまま荒れ野に教会堂が立ち、言葉の壁を超えて両国語を話す人々が愛をもって生きていけば、僕は少なくともクリスチャンたちには観てもらえるポイントはあるなと思ったのですが、「野のゆり」と違って、最後の30分があまりにシュールでその分あの「対峙」のようにシリアスすぎました。
写真撮影が趣味の牧師の前で、罪を1つ1つ告白しては「祈ってくれ」と頼む男の告白が、「あんたの馬を殺した」まで来たとき、愛馬であり、旅の友であり、彼の重いカメラ一式を運んでくれた大切な馬を殺された主人公ルーカスが、逆上して彼を殺してしまう。
このシーンでは、「罪の告白」の大切さと、人間は聖職者であろうと、心のダイナマイトが爆発すれば、人を殺すのだというおぞましい罪の現実が、見事に対比されています。彼は、いつしか愛し合うようになった姉娘の父親に全てを気づかれ、野原で殺されてしますのですが、彼と馬の死体が、アイスランドの厳しい冬の中で、いったんは雪に埋もれ、やがて春の雪解けでその朽ちた姿を現すという構図は、大自然の美しさと対照に、何ともシュールです。
Netflix 神と交わした約束: モーセの物語
こういった聖書のドラマ化の場合、聖書的かどうかが問われます。
また、聖書的過ぎてドラマチックではないと観ていて退屈です。
今回のドラマ、まずモーセが若すぎると思いました。チャールトン・ヘストンの「十戒」のイメージがあるためだからでしょうか、また聖書では、彼は80歳と書いてありますので、もう少し歳を取った役作りでも良かったかなと思います。
聖句の行間に物語を挟んでいくのは、脚本家の腕です。そんな箇所があったかと思うシーンが出てきます。 すると、聖書を読み返して確認したくなります。それが聖書ドラマの良い点です。
また今回は、イスラム教のコーランの中のモーセが紹介される点が、なかなか面白いです。
最初に、「さまざまな神学者や歴史家に意見を取り入れ探求するが、それは総意ではない」と字幕が出ます。その通りで、彼らの意見が、全て正しいわけではありません。 このドラマを観て、聖書を読んでくださる未信の友が増えることを祈ります。
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クリスチャン映画を成功させる会
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