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執筆者の写真Michio Isokawa

神の恵みとその裏話㉞ドラマ 宗教2世問題「神の子はつぶやく」と映画「炎のランナー」

更新日:2023年11月20日

映画「炎のランナー」をご覧になったことがあるでしょうか。第54回アカデミー賞作品賞受賞作品です。1981年の映画なので観たことはなくても、ヴァンゲリスが作曲したサウンドトラックの中の『タイトルズ』は、聴いたことがあるでしょう。

1924年パリ・オリンピック、100メートルの予選が日曜日と知ってエリック・リデルは出場を辞退します。日曜は神が定めた安息日だから走れないとして、週日の400メートルに出場し、世界記録で優勝します。彼はプロテスタントの教会のメンバーで、実話です。

映画公開の頃にクリスチャンとなっていた私は、これこそ神の国を第一にするクリスチャンの理想の姿だと、礼拝や愛餐会などで話題にされていたことを思い出します。

一方、今回のNHKで放送されたドラマ 宗教2世問題「神の子はつぶやく」では、日曜日に、クラブ活動も駄目、ただ集会に行くことを優先させられるようなシーンがあります。 

宗教2世問題が取り上げられる場合、必ずこの聖日問題が取り上げられます。

私が、浪人時代にキリスト教を求道していたとき、教会のクリスチャン高校生メンバーが、礼拝に出ず文化祭に行ったことを、牧師が、なぜ、礼拝後に行かなかったのかと質問していました。

現在の教会は、日曜日に旅行に行ったり、別の地域の集会があるからと休んだりしてもあまり咎められないようです。オンライン配信で、どこでもアクセスが出来、また後で観ることも可能になったことも大きいのでしょう。

それが、洗脳されている宗教との違いとなり、肯定されて良いことなのでしょうか。「安息日を厳守しなさい」とう主の命令との整合性はどうなのでしょうか。

「信仰継承」の問題もよく取り上げられます。子どもたちに、自分と同じようにイエス・キリストへの信仰を持ってほしいと願う気持ちは、どのクリスチャンホームにもあると思います。


NHKの番組紹介より

小学校の間、子どもは親と一緒に教会に行きますが、中学生になってクラブ活動が始まると、日曜日に試合があったり、友人たちと遊んだりすることが増え、礼拝を休むことが多くなっていきます。そして、自我も芽生えて来ますので、教会から離れてしまうケースが多いのではないでしょうか。

イスラム教の家庭は、100%イスラム教になるけど、キリスト教の家庭はそうではない。 それが、今日の教会の高齢化(後継者がいない)を生んでいる原因の一つになっていると聞いたことがあります。

宗教2世問題「神の子はつぶやく」でも、宗教2世の姉妹は、母親に従って行きます。当然周りの友人たちから変な目で見られていきます。また、修学旅行も日曜日にかかるので、行くことでできないと不参加を学校に連絡します。

心配した先生が、母親を説得しようとしますが、母親は「それなら学校を辞めさせます。フリースクールに入れます」と答えていました。

その他にも、私たちと明確に区別できない点がありました。このドラマをご覧になった方が、SNSに良くまとめて投稿されていましたので、ご紹介します。

1.日曜日は礼拝しましょう。

2.困ったときはみんなでお祈りしましょう。

3.出来るだけ悪(サタン)を遠ざけて、常に神様と一緒にいるようにしましょう。

4.自分は罪人だから、と考える。(姉の遥(はるか)の考え方)

5.この子たち(自分の子どもたち)が幸せになれるように神様を信じる。

私たちも使うこの表現は、一体どこで彼らと区別されるのでしょうか。宗教の世界にいる私たちには、なんとなく違いが分かる気がしますが、宗教の外にいる一般の方々にとっては、五十歩百歩にしか思えないかもしれません。


エリック・リデルが、映画「炎のランナー」の中で、中国に宣教師と行くことを表明するシーンがありました。その通りに、彼は1925年に大学を卒業した後、両親と同じ宣教師として中国の天津に渡ります。しかし、1931年に満州事変が起こり、その後日本軍が中国に進出していきます。

彼は妻子を安全なカナダに避難させますが、彼は残って宣教を続け、日本軍の捕虜となります。このことが、映画「最後のランナー」として日本でも公開されました。主人公のエリック・リデルを映画「復活」のジョセフ・ファインズが演じています。ただ残念なのは、映画「炎のランナー」ほどの作品ではないことです。

事実かどうか分かりませんが、エリックは収容所の仲間の命を救うために、雪の道を裸足で競走するレースに出場することが求められます。彼にとっての最後の決断となりました。その日は日曜日でした。

そして、1945年山東省の濰県(ウェイシエン)の収容所で脳腫瘍のため43歳で亡くなります。


彼の敵味方なく日本人のためにも祈るエリック・リデルの姿を見た少年が、後日、日本にやって来ます。東北地地方で宣教され、2014年6月7日に天に帰られたスティーブン・メティカフ宣教師です。

エリック・リデルやスティーブン・メティカフ宣教師たちと、宗教2世問題「神の子はつぶやく」の子どもたちとの違いは何なのでしょうか。




一切のことを、愛をもって行いなさい。(Ⅰコリ 16:14)

 


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