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映画「対峙」そのキリスト教の意味 神の恵みとその裏話 ㉘

更新日:6月5日

1999年4月、高校生2人が学校内で銃を乱射し、教師1人を含む13人が殺害される事件がコロラド州コロンバイン高校で起きたのを覚えておられますか。

その時に、最初に撃たれたのが、クラスメートと校庭の芝生に座ってランチを食べていたレイチェル=スコット(当時17歳)さんです。彼女は熱心なクリスチャンでした。

男子生徒2人が学校に乱入し、いきなり銃を乱射し始めました。背中を撃たれた彼女に、彼らのうちの一人が、「お前は神を信じているのか」と尋ね、「もちろん、信じているわ」と答えた彼女に、「それなら神のもとへ行け」と言って、彼女の頭部に発砲したそうです。 この二人の男子生徒は、レイチェルさんが伝道熱心でしたので、彼女がクリスチャンであることを知っていたようです。


本作が脚本・監督デビュー作となるフラン・クランツ氏は、コロンバインや他の学校内銃撃事件について深く掘り下げていきました。彼は、悲惨な別れに傷つきながらも、なんとか悲劇を乗り越えて前に進む⽅法を⾒出しました。

それは、遺族に関する、希望を感じさせる報告を⽬にしたからです。クランツ氏が特に胸を打たれたのは、銃撃犯の両親と犠牲者の両親との会談に関する記述でした。「⼀つの部屋に集まって、これほど深く事件について話し合うことができる⼈たちがいるのか、と衝撃を受けた」と、クランツ氏は語っています。

© 2020 7 ECCLES STREET LLC

そこからこの映画の構想が拡がり、映画化が実現しました。

この映画では、被害者と加害者の4名が話す場所はキリスト教会です。誰も座っていない教会の中で、⼦どもがピアノレッスンを受けています。

そこに4人の父母がやって来ます。与えられた集会室で、彼らは事件の原因を探ろうとするのですが、どうしても相手を非難し、また自己弁護に走ります。

この映画は、4 ⼈の⽗⺟たちの場⾯から始めて、4 ⼈の⽗⺟たちの場⾯で終わります。迫力あるアクションシーンはありません。また、聖書のメッセージはストレートには語られていません。

しかし、教会の集会室に掲げられる十字架が、たびたび何気なく映し出されるとき、イエスの暖かいまなざしが、深く傷ついた⼈達に互いに赦し、癒しを得られるようにと、見つめている気がします。

私たちも同様に、対人関係において、心の中で人を裁いたり、自己保身したり、その自分を裁いたり、葛藤します。しかし、そこにも内在する聖霊なる神が見守ってくださっているのです。

そして、彼らの出した結論に驚き、ラストシーンの讃美歌403番が心に響きます。

「赦しと和解」そして「信頼関係の回復」というこの映画のテーマに涙するのは私だけでしょうか。

この映画こそ、全キリスト教関係者に観ていただきたい作品です。と同時に私たちがキリストの十字架の意味を説明する絶好のチャンスだと思います。


なお、コロンバイン高校乱射犯の母親のスー・クレボルドさんが、YouTubeに「私、母の伝えたいこと」としてアップしています。

 また、レイチェルさんの母親が書いた本「Rachel’s Tears」によると、母親は娘の信仰によって神様の愛に立ち返り、犯人に対して、そしてその親達に対しても「彼らもまたかけがえのない子供を亡くしたのだ」と赦しへと導かれたそうです。

父親も娘の信仰によって目を覚まされ、彼はもともと牧師だったのですが、離婚後教会を離れセールスマンとして生計を立てていたましたが、牧師に復帰したそうです。(東京カベナント教会ブログより)


赦しなさい。そうすれば、あなたがたも赦されます。(新約聖書ルカ 6:37)


●第8回 オンライン映画カフェ 『映画「対峙」の魅力にせまる』→https://www.youtube.com/watch?v=-PhSJR0XcA8




監督・脚本︓フラン・クランツ 『キャビン』 (出演)

出演︓リード・バーニー TV「ハウス・オブ・カード 野望の階段」シリーズ

アン・ダウド 『ヘレディタリー/継承』

ジェイソン・アイザックス 『ハリー・ポッター』シリーズ

マーサ・プリンプトン 『アナと雪の⼥王2』


2021 年 / アメリカ / 英語 / 111 分 / カラー / ビスタ / 5.1ch

原題︓MASS / ⽇本語字幕︓松浦美奈 / G / 配給:トランスフォーマー



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