「I can only imagine 」は、2018年アメリカ公開週総合チャートで第3位に入ったキリスト教映画です。この作品を是非日本で上映していただきたいと願っていましたが、なかなか購入してくれる配給会社がありませんでした。
私が「いのちのことば社」を退職することを決めたときに、ユニバーサルミュージックより映画の協力依頼が来ました。タイトルを聞いてびっくり、「I can only imagine」でした。
今回の映画は、クリスチャン音楽史に残るクリスチャン・ロック・バンド“MercyMe”の名曲「I Can Only Imagine」の誕生秘話です。楽曲の作者であるボーカル、バート・ミラードが、キリストを信じ、罪が赦されたことで、つらかった子供時代を乗り越え、いかにしてこの歌を作るよう心に促されたかを描いた事実に基づく物語です。そして、キリストにある親子の赦し、天国への希望が描かれています。
暴力的な父アーサーのもとで幼少期を過ごすも、キリストを信じ、決して優しさを忘れなかったバート。高校時代に歌の才能を見出されると、遂に乱暴な父のもとを飛び出し、音楽の道へと進んでいきます。父アーサーは、本心ではバートと解り合いたいと願っていますが、その気持ちを素直に表すことができず、バートが去っていくのを止めることが出来ませんでした。ミュージシャンとして順調にキャリアを積むバートでしたが、ある日、音楽業界の手痛い洗礼を受けた事で自信を無くし、全てを捨てて故郷に戻っていきます。そこではアーサーが、過去の自分を悔い、なんとかバートと解り合おうとします。しかし、バートはそれを信じることができず、苛立ちを覚えます。ただ、アーサーに起こっている事を知るまでは。そして、「I can only imagine」を10分で書き上げるのです。
「想像してみてごらん、あなたの(神)のそばにいると どんな気持ちなるのかを」と歌う「I can only imagine」は、2018年までにトータル250万枚以上のセールスを記録した、全米でもっとも売れたコンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック(CCM)です。この映画にも出てきますが、ナッシュビルで年に1回、ゴスペル・ミュージック・アソシエイション(GMA)ウィークというクリスチャンミュージックの祭典があります。
私も一度参加しましたが、ナッシュビルの町中が、クリスチャンミュージックで溢れます。色々なクリスチャンアーティストが、ライブハウス、チャペルを使って1日中ショーケースをしているのですから、ファンには堪りません。 そして、最終日にドーブ賞が選ばれます。「I can only imagine」は、2002年に第33回ドーブ賞(最優秀楽曲等)を受賞しました。
この曲は、現代の「アメイジング・グレイス」だと思っていましたら、なんとこの映画の重要シーンで、「アメイジング・グレイス」も流れてきたのです。鳥肌が立ちました。
デニス・クエイドは、葛藤するお父さん役を見事に演じていますし、クリスチャン映画ではお馴染みの女優兼伝道者でもあるプリシラ・シャイラーが、今度は音楽の先生役で登場します。
日本語エンディングテーマをDedachiKentaさん、小坂忠さんという二人のクリスチャンがコラボしていることも神様の粋な計らいです。この映画のもう一つの見どころになっています。(配信バージョンでは、エンディングは原曲が使用されています)
2020年は、『名もなき生涯』『赦しのちから』そして今回の『I Can Only Imagine 明日へつなぐ歌』とキリスト教映画が続々と公開されていきます。
『赦しのちから』の最終回を観た帰りのエレベーターの中で、「皆様は教会関係者の方々ですか」とお聞きしました。すると半分近くの方が、「いいえ」と回答されました。クリスチャンではない方も観に来てくださって感謝だなと思っていると、エレベーターを降りた後、一人の女性が、「クリスチャンの方ですか。この映画を観て聖書を学びたくなりました。」と声をかけてくれました。そして近くの教会を紹介することが出来たのです。
コロナウィルスで大変な世界です。でも最悪の時でも、しっかり映画伝道しなさいと背中を押されている気がしました。
みことばを宣べ伝えなさい。時が良くても悪くてもしっかりやりなさい。
(Ⅱテモテ 4:2)
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